100の指令
日比野さんの著書『100の指令』では、生活のなかでできる、小さなワークショップ・アイデアが紹介されています。「洗濯物がいつ乾くのか、時々洗濯物を触ってみよう」「ご飯のお米は種なんだと思いながら食べてみよう」など、家の中でも、一人でもできるものばかり。季節や時間の変化に気づき、考え、記憶すること。そうした日々の小さな発見が、子どもの感性を伸ばしていくきっかけになると、日比野さんは教えてくれました。
「いくら学校での図工の時間とか、どこかのカルチャーセンターに通ったりしても、結局は家のなかのちょっとしたことだと思うんです。夏になったらカーテンが変わるとか、それこそ四季折々のこと。それで、家のなかが涼しげになったとかあったかくなったと感じる」。
洋服ダンスのなかが半袖の服に変わっているのを見て、去年の夏のことを思い出す。子どもはそういうちょっとしたことから、色とか質感、デザインを覚えていくそうです。大勢の参加者とともに作品をつくりあげる、さまざまなワークショップ・プログラムを提案している日比野克彦さん。その一方で、家庭の中でのワークショップの大切さについても話してくれました。
» 日比野克彦『100の指令』(朝日出版社)2003年
» マンモスインタビュー 日比野克彦さん(マンモス15号)