牛乳パックで作る「チェンジング・サークル」

保育園でよく使われている手作りの遊具って、何やらとっても面白そう。使っている園児たちも、夢中でのびのび遊んでいる。聞けば、保育士を中心にした手作り遊具の研究会もあるらしい。これはもう真似するしかない!ということで、編集部でも作ってみることに。牛乳パックに、ダンボール、身近なものがどんどん変身していくのは、想像以上の楽しさだ。デザインにも凝って、わが家だけの特製遊具を作ってみよう。
今回、参考にしたのは『あなたが変える室内遊び』(東間掬子著・サンパティック・カフェ刊)。これは手作り遊具の研究会を主宰し、第一人者でもある、東間先生のアイデアがぎっしり詰まっている本。子どもが育っていく過程で起こす行動(東間先生いわく「原形行動」)に沿って考えられた遊具は、どれも独創的かつ安全で楽しそう。迷いながら、その中から「チェンジング・サークル」と「ハッピースポット」のふたつをアレンジを加えつつ、作ってみることにした。   
まずは、「チェンジング・サークル」から。下準備として布や紙を貼る手間はかかるものの、1枚に広げたダンボールの上に、パズルのように牛乳パックで作ったブロックを置いていくだけの簡単さ。写真のように、凹凸で小さなスペースに分けて並べてみたら、まずはブロックの列を崩さずにまたぐ、という遊びが出現。そのうち、それぞれの子どもが自分のテリトリーを確保し、狭いところにはまるように、でもリラックスして座りこむ。
さらに、内と外に分かれて「くださ〜い」「へい、らっしゃい!」とお店やさんごっこも始まった。牛乳パックでほんの小さな凹凸を作っただけなのに、子どもにとってはベッドにも、迷路にも駐車場にもなったりと、どんどんイメージが膨らんでいく。並べ方を変えるごとに、遊びのバリエーションも増える。「チェンジング・サークル」は、はいはい期の乳児から3、4、5歳まで、それぞれのペースで楽しめる、子どもの想像力を伸ばしてくれる遊具なのである。
●ブロックの作り方
[材料]牛乳等の飲み物1リットル入りのパック(数は20個以上あるとブロックとして、いろいろと遊べる)、糊(木工ボンドでも良い)、適当な大きさの2〜3種類の色の画用紙または模造紙。
[作り方]
(1)パックの上下面用に8×8センチ、側面用に20×30センチに用意した紙を切る。
(2)最初に上下面を貼る。パックの上下面に糊を塗り(両面テープでも可)、紙は少し大きめにカットしてあるので四隅に切れ目を入れて、角部分を調整しながら貼る。
(3)次は側面に糊を塗り、角部分から紙を張り合わせていく。4面貼り合わせると紙の端が少々余るので、その部分にさらにのりをつけて貼り合わせて出来上がり。※固さが欲しいときにはパックの中に新聞紙や発砲スチロールを詰める。
※ この記事は『baby mammoth』No.2 (2005年)に掲載されています。