Photo: Sachie Abiko

エブリデイ・ナベ・スープ!

豊かな森が広がる秋田県森吉に暮らす加賀テイさんは、季節に寄り添った昔ながらの暮らしをしてきました。春夏には山菜やふきのとうを和え物や味噌漬けに、冬にはたくわんや豆腐を作る。季節ごとにとれる食材を、おいしく、長く食べるための料理法や保存の仕方は、秋田の風土が生んだ生きていくための知恵そのものです。そんな暮らしを続けるテイさんの言葉に、私たちの生活にも取り入れられそうなヒントがありました。
「お鍋といったら冬を連想するかもしれないけれど、こちらでは具材を変えて一年中食べます。春は山菜やタケノコ。夏はミズ、なす、玉ねぎ。秋はきのこ。お彼岸になると、豆や根菜、貯蔵してある山菜などを入れて味噌仕立てにしたキャノジル(きのこ汁)というのをつくります。冬になると、きりたんぽ、だいこんに白菜。ずんだ豆をつぶして炭火で焼いたものを入れて食べることもあります。」
季節ごとにとれたものを鍋に入れて煮るだけーとっても簡単でシンプルな料理だけれど、入れる具で毎日味が変わる季節のスープ。古来から日本では、囲炉裏に鍋を吊るして煮炊きをし、鍋を囲みながら食事をしてました。季節の食材をおいしく食べるアイディア、秋田のおばあちゃん家の昔ながらの暮らしに見つけました。
» Mammoth #17 Message from Grandma「おばあちゃんに会いにいこう!」(2008年9月発売)