地上から離れて樹上生活|ツリーハウス・クリエーター 小林崇
ツリーハウスとは、生きている樹木を土台につくられた家。大航海時代に東南アジアにたどり着いたヨーロッパ人が、木の上で生活をしている人たちを見て衝撃を受け、それと同じようなものを宮廷の庭に建てたことから、西洋地域に広まったといわれています。また、アメリカでは1960~70年代に起こったヒッピームーブメントをきっかけに、一部の人々が樹上生活を始め、それが後のツリーハウス文化へとつながりました。
近年、日本各地でもツリーハウスを見かけるようになりましたが、日本のツリーハウス第一人者・小林崇さんのつくるツリーハウスは、とってもユニーク。ミノムシをモチーフにしたツリーハウスや樹上の茶室など、木の種類や形状、ロケーションや目的に合わせたさまざまなツリーハウスから、小林さんの遊び心が伝わってきます。
友だちと遊ぶ隠れ家として、森のなかで過ごす別荘としての楽しみかたもありますが、世界を見渡すと敵の部族から身を守るための住居として存在する場合もあります。木と調和し、自然と共生するオーガニック建築であるツリーハウスのなかで、いつもより少し高いところから外の世界を覗いてみましょう。
小林崇
1957年、静岡県生まれ。ツリーハウス・クリエーター。1994年、ツリーハウス建築の世界的権威ピーター・ネルソンと出会い、毎年ツリーハウスの国際イベントに日本から唯一参加。ツリーハウス・クリエーションを設立し、全国各地のツリーハウスを手がける。掲載写真は、『ツリーハウスをつくる愉しみ』(メディアファクトリー)より。 www.treehouse.jp
※ mammoth No.30 HOUSE Issue 収録