MAMMOTH KIDS × ARTIST vol.13 アーティスト田中千絵さんと一緒に 大きな紙を切って空想の森をつくろう!
紙は平面だけど、切ったり折ったりして手を加えていくと、今までなかった世界をつくり上げることができる魅力的な素材。今回は、紙の専門商社・竹尾が取り扱っているいろんな色や手ざわりの紙を使って、想像力をはたらかせながら空想の森をつくります。
ハンドメイドでつくるコラージュ作品やプロダクトなど、紙の魅力と紙を楽しむアイデアを伝えているアーティストの田中千絵さん。今回は、全紙と呼ばれる大きな紙を使って、空想の森づくりにチャレンジします。
まずは、目の前に並んだ紙を、さわったり、切ったり、折ったりするところからスタート。色みはもちろん、紙の風合いを感じながら、これからつくる空想の森のなかに、どんな生きものがいたらいいか? どんな木や実がなっていたらいいか? などを考えながら、紙にはさみを入れていきます。
「紙にまつわるいちばん古い記憶は、幼稚園のときにつくったサツマイモのちぎり絵。色数の限られた折り紙で、紫色と赤色で皮の部分、切った断面をクリーム色と黄色を混ぜてはって、思いどおりに表現できて嬉しかったことを覚えています。ウインドウ・インスタレーションでも、よく紙を使います。背景に透かしのあるロールペーパーを1枚垂らすだけでも、世界があっという間に変わる。同じ紙でもサイズが変わるとまったく印象が違うし、紙は現実と非現実と結びつける役割があると思っています。
今回は、子どもたちが大きな紙を目の前にして躊躇なくどんどん切っていく姿や、折りたたんで開くと形が変わったことに驚く姿を見て、紙の魅力を再確認しました。紙は構成する前にあらかじめ切り出すので失敗も少なく、頭のなかで思い描いたものを表現するのに適しています。やってみたらこんなことができた!という成功体験は、子どもにとってはとても大切。くだらないことにもすごいヒントが隠されていたり、何かの活力になったりすることがたくさんあるので、ファンタジーは日々の生活のなかにあると思っています」
みんなが紙でつくった生きものや植物をはりつけてできあがった、空想の森。帽子にサングラスをかけたおしゃれなおばけがこちらをのぞいていたり、池の上をチョウチョが飛んでいたり…。この森のなかで、どんな冒険がくりひろげられるのでしょうか。
田中千絵
東京都出身。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業。 在学中から伯父・田中一光のもとでデザインを学ぶ。ウインドウ・インスタレーション、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、書籍の装幀/装画など幅広くプロジェクトを手がける他、木の枝をモチーフにした書体「ツリーフォント」も発表。ピンクリボンデザイン大賞審査員。2016年4月と6月に個展「紙の絵展」開催。
chietanaka.tumblr.com
» mammoth No.33 Fantasy Issue | 君の、ファンタジーの扉を開こう!