photography: Mie Morimoto

KIDS × ARTIST 小島ケイタニーラブ「Song Making Workshop」レポート

オリジナルの楽曲制作だけでなく、フィールド録音や朗読などを取り入れた新しい表現活動をしている音楽家の小島ケイタニーラブさん。今回は「この夏、好きになったもの」をテーマに子どもたちと歌づくりに挑戦です。
まずは小島さんから子どもたちに質問。「この夏に好きになったものは?」そう訊かれた子どもたちは、答えを画用紙に描いていきます。出てきたのは、「スパイシーなもの」、「カブトムシ」、「野菜」、「テングザル」、「学校」、「モロヘイヤ」…。どうしてそれが好きになったのか、理由も説明してもらいました。
「“好き”と“好きになる”は似ているようで違いますよね。何かを好きになるきっかけって、人それぞれのドラマがあると思うんです。僕はこの夏インドネシアに行く機会があったのですが、東京に戻ると今まで特に好きでもなかった南国のフルーツが大好物になっていた。そのとき“ああ、僕はフルーツたちと特別な時間を過ごしたんだな”って気づいたんです。今回の歌づくりで、僕はみんなが過ごした特別な時間を教えてもらいたかった。それを歌にすることで思い出に残ればいいなって。実際にやってみて、最初は難しかったけれど、徐々に子どもたちも緊張がほぐれてきて、自由な発想のいいものが出てきた。「モロヘイヤ」なんかは特にそうでしたね。
僕は、歌をとおして想像力を豊かにするきっかけをつくることで、人と人のコミュニケーションを円滑にする手伝いができたらいいなと思ってる。特にこれからは、世界中の子どもたちと曲をつくっていきたい。僕が主役じゃなくて、子どもたちが主役の歌をたくさんつくりたいんです」
♪おーい、おーい、ロージーの夏を聞かせて 
 おばあちゃん家の夏休み 
 モロヘイヤが好きになりました 
 おーい、聞かせて、君だけの夏休み
それは、まるで絵日記のような、夏休みの歌日記。口ずさめばいつでも、この夏、好きになったものを思い出せるみんなの歌が完成しました。
 
小島ケイタニーラブ
シンガー/ソングライター。1980年、静岡県生まれ。中性的な声で歌われる、独自の哲学観やユーモアのある文学的な歌詞を特徴とし、弾き語りのほか、朗読劇などの音楽プロデュース、CMや映画での歌唱・楽曲制作など幅広く活動している。2016年、「NHKみんなのうた」書き下ろし曲『毛布の日』放送開始。同年、初のスタジオアルバム『It’s a cry run.』(Rainy Day Records)をリリース。 www.keitaney.com