遠野の語り部に会える場所
民話の里として知られる、岩手県遠野市。そこには代々語られてきた遠野の昔話を伝える「語り部」と呼ばれる人々がいます。「むかし、あったずもな…」という言葉にはじまるのは、おばあちゃんがまだ小さい女の子だった頃に、囲炉裏端で聞いていた遠野の昔話。語り部の表情や身振り、声のトーンなど、その姿や雰囲気全体によって昔話の世界を伝えてくれます。わからない方言があってもなんとなく理解できるのも、文字で読むのと違う「語り」の持つ力です。昔語りのあたたかい口調から、遠野の豊かな自然や暮らしが浮かび上がります。
遠野には、こうした語り部に会える場所がいくつもあります。「遠野ふるさと村」は、遠野の昔ながらの山里を再現した施設。村の中には「まぶりっと」と呼ばれる人々が常駐し、農作業をしていたり、お茶をすすめてくれたりと、本当の村の中を探検するように歩きながら、遠野の暮らしに触れることができます。曲り家の囲炉裏端では、語り部の昔話を聞く体験プログラムが用意されています。他にも、「とおの昔話村」「伝承園」などで語り部に出会うことができます。ぜひ実際に語り部に会い、語りの力を体感してみてください。
※ 『mammoth』23号 ストーリーテラー特集では、遠野の語り部・正部家ミヤさんにインタビューをしています。発行は9月15日です。どうぞお楽しみに。