無数の星を灯すプラネタリウム 日本科学未来館

大きな天井に星空を再現し、星の見方を教えてくれるプラネタリウム。日本はアメリカに次いでプラネタリウムの数が多く、全国に350館ものプラネタリウムがあります。中でも日本科学未来館のプラネタリウムは、世界最多の500万個という圧倒的な星の数。その迫力は、館長であり宇宙飛行士の毛利衛さんが「まるで宇宙空間で見た星空そのものだった」と驚いたほど。
この星空を映し出すのは、「メガスターIIコスモス」という投影機です。つくったのは、子どもの頃から自分でプラネタリウムづくりをしてきた大平貴之さん。小学校4年生の頃、「蓄光塗料」という暗闇で光る塗料を文具店で手に入れ、それを紙に塗って小さな円形に切り抜き、部屋の壁に貼ってみたそうです。部屋の明かりを消して現れた「星空」に感激して以来、自作のプラネタリウム製作に没頭するようになりました。それから、自分で材料や資料を探し出して試行錯誤を重ねているうちに、周囲の大人たちもいらないレンズを分けてくれたり、プラネタリウムの操作を教えてくれたりと協力し、応援してくれたそうです。
ひとりの子どもが抱いた星への好奇心は、革命的なプラネタリウム・クリエイターとなって、夜空に無数の星を灯しました。大平さんの手作りプラネタリウムは、今日も500万個の本物そのもの星空を映し出し、たくさんの子ども達が宇宙とつながるストーリーをつないでいます。
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