Artist × Kids Workshop vol.9 珍しいキノコ舞踊団 伊藤千枝さんと一緒にからだを使って 5本足の動物になろう!トンネルをくぐってみよう!
人はなぜ踊るのでしょう。踊ることでなにを表現するのでしょう。今回の先生は、日常空間のなかからわき出てくるダンスをもとに、舞台にとどまらず振付やほかのアーティストとのコラボレーションなど、さまざまな活動をおこなう「珍しいキノコ舞踊団」主宰の伊藤千枝さん。自分のからだを思いっきり使って、遊びながらからだの不思議やダンスの楽しさを感じとります。
キュートでユーモラスなダンスカンパニー「珍しいキノコ舞踊団」を主宰し、全国各地で大人や子どもに向けてワークショップも数多く開催している伊藤千枝さん。今回のワークショップでは、自分のもっているからだの動きとアイデアをふりしぼりながら、まずは5本足の動物になって歩くことに挑戦しました。どんどん足の数をふやして、最後は何本足の動物になれたかな。
「日常生活のなかで人と人がふれあうことってあまりないじゃないですか、とくに日本だと。なので、大人でも子どもでも、とにかく触るっていうか、ベタベタくっつくっていうのが、ワークショップをするときにすごく大切にしてるところです。そこから始まると、いつも理性的に生活したり動いたりしているのに、あっという間にいつも閉じていた箱のふたがパカッと開くようなかんじがあって、そうすると本当の意味で人とコミュニーケーションが取れるようになっていくと思うんですよね。それって大人にとっても子どもにとってもすごく大事なんじゃないかと思ってます。いろいろとカギになるようなものを、ゲームみたいな感じで経験していって、パカパカふたを開けていく…。やっぱり子どもたちって早いんですよ、ふたが開くのが。子どものころって小さければ小さいほど、両親だったり、お友だち同士だったり、おじいちゃんやおばあちゃんとだったり、みんなとベタベタ触りますよね。それが気持ちよくて楽しいものだと知ってるので、触ることにはそんなに抵抗がないんです。今日のワークショップでも、子どもたちは自分のふたのなかになにが入っているのか知らないから、ふたが開いてワーッと出てくるものを楽しむようすがおもしろかったです」
先生と一緒に頭の先から足の先まで動かしながら、ワークショップはトンネルくぐりへと続きます。集中して汗だくになりながらも、眼をキラキラと輝かせて遊ぶ子どもたちは、いつのまにやら小さなダンスカンパニーのようでした。
伊藤千枝
振付家・演出家・ダンサー・珍しいキノコ舞踊団主宰。大学在学中にダンスカンパニー「珍しいキノコ舞踊団」を結成。以降全作品の振付、構成、演出を担当し、国内外で作品を発表。振付家としてフィリップ・ドゥクフレ『Iris』の演出アシスタントをつとめたほか、CMや映画、テレビなどでの印象的なダンスシーンを手掛けている。現在は桜美林大学の非常勤講師を兼任。
www.strangekinoko.com